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四川のマージャン(麻雀)文化・珍風景

 

 近日、成都でプールみたいなところでマージャンするところが誕生したことが話題になりました。裸足で水に浸かりながらマージャンをする、連日30度超えの成都ならではの楽しみ方ですね。それで、マージャン文化について、少し書かせていただきます。

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水中麻雀(四川省成都市2021年)

 四川人は10人の中9人がマージャンできます。それは過言ではありません。子供の時から大人たちがマージャンがやっている姿を見てきて、いつの間にかできるようになる人が多いでしょう。成都では、人が集めばマージャンが始まります。暇の時はもちろん、結婚式の披露宴の後も、同窓会も、追悼式の時もマージャンをします。コロナ感染拡大の時期、マージャン館が閉鎖され、マージャンをしたい人たちが知り合いの家にこっそり訪れて、4人が集まれば、マージャンをし始めます。その時、暗黙のルールとして、家族(かなり広い意味)であればやっていいのですが、友人や知り合いの間では禁止されて、警察が家に来るかもしれません。こんな大変な時でも完全に禁止できないのは四川のマージャンです。

 私の場合、五、六歳の時なんとなくマージャンのルールを覚えていて、家族と遊んでいましたが、現在になると、マージャンがあまり好きありません。なぜなら、一緒にやる人がいつもタバコが吸っているのからです。タバコはマージャンの付き物みたいです。

 でも、一つだけ言わせていただきます。大半の人にとっては、マージャンはギャンブルではありません。あくまでも娯楽の一つです。大金をかけてやる人もいるのですが、普通は小銭で遊んでいる印象です。ずっとやると勝ち負けもないと母がよく言います。

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街角の茶館風景(四川省成都市)

 四川省成都市で生まれ育ちの私から見ると、マージャンは四川文化の重要な一部といえるでしょう。昔から成都の街角で「茶館」が多いこともあって、「茶館」でお茶(ジャスミン茶が多かった)を飲みながらおしゃべりして、その時の庶民の最高の暇つぶしでしょう。裕福になると、お茶はどんどん種類が増えて、おしゃべりだけも足りなくなって、娯楽として囲碁シャンチー (象棋)を含め、マージャン、トランプ、四川トランプ(長い紙のパイ、三国時代諸葛孔明が発明したという言い伝えがあります)などの卓上ゲームは人気が増えていました。現在になると、マージャンはトップ人気で、次はトランプで、ほかのが少なくなっています。ちなみに、ほかの中国の都市では「茶館」が多くありません。都市によって、全くないところもあります。

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茶館で麻雀と四川トランプ(諸葛孔明製)をやる人たち


 マージャンが人気がありすぎて四川の独自ルールまで生まれました。

字牌なし

・チーなし

・欠門:上がりには1種類の牌を欠くこと

・「血戦到底」:1人が上がっても手を終わりにせず、最後は1人だけ残すまで続くこと

・カンは点数計算に入れる

 日本にいる時、一回だけ同僚とマージャンをしましたが、日本ルールで(たぶん広東省も同じ)慣れませんでした。四川マージャンはかなり刺激的で、興味がある方はぜひネットで体験してみてください。